私はやぎ座だ。山羊座の起源なんて話だしたらきりがない。
上半身が山羊で、下半身が魚。その姿ははっきり言って、とんだ道化である。
世の中には獅子だとか、乙女だとか見た目もいい星座がある中で、山羊である。
しかも山羊の中でもイレギュラーな姿の山羊。
小学校の授業で星座の話になったとき、「コイツかぁ~。」と思った。
せめてオーソドックスな山羊であってくれれば、幾分マシだったろうに。
とはいえ、山羊と聞いて何を思うだろう。
私は特に何も。
牧場で変顔して変な声で鳴いていたな、くらいだ。
動物の中でもキャラは濃い方ではない。鳴き声は面白いが。
意外と近くで見ると穏やかそうな可愛い顔をしているのだが、羊とかいうライバルが強すぎて、地味な存在になっている。
山羊座のイメージと言うと「堅実」とか「頑固」とか「忍耐強い」とか、どうも硬そうな言葉がつきまとう。
これには山羊が高い山だろうが急坂だろうが生きていけるという、比較的よい印象から来ている。
日本には山羊なんてまぁ全然いなかったので、山羊との文化があまりないのが残念なところ。
逆にヨーロッパは山羊との関わりが深く、山羊乳・山羊肉・山羊毛...ととにかく身近な存在だ。乾燥している地域に強いからこそ、家畜としてかなり優秀だ。
だからこそ、とんでもない単語が生まれたりするわけだ。その一つが『ヤギ殺し』である。
物騒な単語である。あと使い所が全くわからない。
ちなみにこれはスペイン語で、つづりは「matacabras」。読み方はそのまま「マタカブラス」。
mataが「殺す」で、cabras「山羊(複数形)」という単語の構成なので、日本語で言う「殺人」と同じような作りである。
だから殺人みたいに、人を殺すって意味なのかと思ってしまう。
でもこの単語の意味は、『強く吹く北風』。
山羊が住んでるところを考えてみれば、この意味にも説明がつく。
切り立った山で必死に堪えて生きる。そんな我慢強い山羊すらも、殺してしまうような強い北風。だから「ヤギ殺し」。
日本語でもことわざを動物名で検索してみると、昔の人達がその動物に持っていた印象が読み取れて面白い。
言語というのはやっぱり文化そのものだと思う。
言語から文化を知りたくて、外国の人の考え方・捉え方を知りたくて、私は「辞書を読む」なんて非効率なことをしているのかもしれない。
でも楽しいからなんでもいいのだ。人生は楽しむためにあるからね。
今度は「チュパカブラ」について書いてみようかな。
コイツも「○○カブラ」ということは...?

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