昨日のブログでは「価値がなかった」というニュアンスを持つ単語の話をした。
今日は逆に「価値がある」を意味に持つ単語の話をしたい。
ところで皆様のお家にバルコニーはあるでしょうか。
なんとなく気にしていなかったけど、バルコニーとベランダとテラスは全部意味が違うらしい。
テラスが違うのはわかる。テラス席はあっても、バルコニー席やベランダ席とは言わないから。
バルコニーとベランダの違いは実は屋根の有無なんだとか。
そうなると一般的なマンションはベランダ付きだし、一軒家にバルコニーが多いのも頷ける。
ヨーロッパの街を歩いているとバルコニーに花が飾ってあったりとなんだかオシャレ。
実は広場の周りにある店の上は普通に住居になっていたりする。
景観にも厳しいから華やかに見える生活も楽ではないだろう。
でもバルコニーから見える景色で部屋を選ぶこともある。
今日紹介するのはまさにバルコニーにまつわる表現「Para alquilar balcones」。
直訳すると『バルコニーを借りるために』。
つまり部屋を選ぶ決め手になったのがバルコニーだったということだ。
でも広場に面する部屋から見える景色ってなんだろうか。
それがこの言葉が持つ本当の意味『(面白いから)見るに値する』に繋がってくる。
広場では通行人が何気ない会話をしていたり、大道芸人が自慢の技を披露していたり、特別な日にはお祭りが催されたりしている。
そうだ。広場に行かずともバルコニーから見下ろせる世界はとても面白く興味深いものなのだ。
日本にもあるだろう。「花火がよく見えるからこの部屋を選んだ」なんて話が。
それと同じで、バルコニーで部屋を選ぶことで手に入るのは住処だけじゃないってことだ。
ちなみにこの言葉は『住むに値する』という意味も持っている。
確かに賑やかだろうが、街の人の他愛もない会話が結局一番面白かったりする。ロケで見る謎に話の上手いおばあちゃんとか。
そんな日常もあれば、お祭りを最高の席で観れるという非日常な面白さもある。
広場は舞台なのかもしれない。そう考えるとバルコニーはまるで2階席のようだ。
古くからのヨーロッパの劇場でも2階席は安いが、熱心なファンが何度も何度も観るためにこの席を好んで選んでいたという話もある。
だとすればバルコニーは玄人向けの特等席なのかもしれない。
前の人の頭が邪魔になることもないし、住んでいる限り何度も観ることができるのだから。

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