『地獄』という場所は宗教関係なく、まるで誰かが実際に行って帰ってきたみたいに、概念として存在しているのが面白い。
本当に存在しているのかもしれない。あまりにも印象が一致しすぎているから。
この言葉から連想されるイメージはもちろん良くないものだが、なんだか「熱い場所」という気がする。
子供の頃からアニメやゲームで聞き慣れない言葉をネットで調べる質だったので、その中でついたイメージかも知れない。
このイメージも面白く、改めて調べるとどの宗教でも地獄とは「炎が燃えたぎっている場所」のようである。
例外といえば北欧神話の「ヘルヘイム」だが、こちらは「ヘル」という言葉に引っ張られているだけで、他の地獄とはまた違ったりする。
やはり昔の人達にとって火は脅威だったのだろうか。
今みたいに消防技術の発展していない時代に、火がどこかで上がったら消火作業も楽じゃない。
特に日本は未だに木造住宅が多いのだから、乾燥する冬場の火事の多さには木造の限界を感じてしまう。
火は視覚的にも怖いから、昔の人達が悪人の行くべき死後の世界を灼熱地獄にしてしまうのもうなずける。
最近はちょっと上手く行かないことや嫌なことに対しても「マジ地獄。」と言ってしまいがちだが、これはキリスト教の教えが身近でない日本人ならではなのかもしれない。
こんな感じの軽いノリの地獄はキリスト教を信仰している人々の地域ではありえないだろうな、と思っていたのだが意外とそうでもないようである。
今日はそんな「地獄」にまつわる単語を紹介したい。
まず地獄は英語では「inferno」(インフェルノ)と書くが、スペイン語では「infierno」と書く。見てわかるように2つの単語はとても似ている。
こういった単語は高確率でラテン語由来なのだが、この単語もそうでラテン語で「地下の」を意味する言葉が由来とされている。
ちなみに先程あげた「hell」も英語では地獄という意味を持っているもののニュアンスがややことなる。
この2つの単語はそれぞれ「地獄」の意味を持っているが、「inferno」は「大火」の意味も持っている。つまり灼熱の炎である。
一方「hell」は「耐え難い苦悩」なんて意味も持っていて、英語で地獄というニュアンスでもっぱらこちらが利用されるのもその意味があるからだ。曲なんかでinfernoを乱発してると重たくて仕方ない。
インフェルノと聞いてぱっと思い浮かぶのはなんと言っても「タワーリング・インフェルノ」だろう。
パニック映画の最高峰すぎて、「超高層ビルで火災が起きる」というテーマはコレ以降すべて二番煎じに見えてしまう。
あれも危機的な状況で火災が起きるんだから、タワーリング・ヘルではダメだったわけである。
というかあの逃げられない状況であの規模の火災なんて、まさに現世での地獄の再現だと思えてならない。
さて話が死ぬほど逸れてちょっとあの世に行ってしまったが、本題に入りたい。
今日紹介するのは、スペイン語で地獄を意味する「inferno」に縮小辞を付けた「infiernillo」。
縮小辞は「指小辞」とも呼ばれることもある接辞の一つで、基本的には「子〇〇」や「小さい〇〇」(車→乳母車)などを意味することが多い。
猫の呼び方を例に上げると「ねこ」と「ねこちゃん」では言葉の持つ意味合いが少し変わる。
日本語では「小綺麗」や「小洒落た」の"小"が縮小辞にあたるとされている。
またまた脱線していたが、直訳すると「infiernillo」は『小さめの地獄』ということになる。
地獄に大も小もあるわけない。でも地獄ほどじゃなくとも火が燃え盛っていて、人間にでもなんとか扱えそうなものがないだろうか。
そう。『コンロ』である。しかもただのコンロというよりも『カセットコンロ』。
小さいが影響したことで「卓上」のニュアンスを含み、『アルコールランプ』を表すときにも使われている。
ちなみに「infierno」にコンロという意味がないことが一番面白い。普通カセットコンロを小さいで表現するなら、先にコンロが「infierno」になるはずだろう。
カセットコンロを眺めて、「うわ~これもう小さめの地獄じゃん。」ってなるセンスが羨ましい。あとやっぱり大喜利っぽいんだよな。
そりゃ地獄を用いたら料理もすぐ温まるわ。だって地獄だもん。一発よ。
ちなみにカセットコンロと聞くと、糸目のキツネが現れるのなんでだろうと思ってたら、コレが原因だった。
"コン郎"とかいう安直過ぎる名前大好き。
コンロとキツネの鳴き声のコンをかけているんだよね。この解説絶対いらなかったけど。

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