寒い寒いと言っていたのに、いつの間にか仕事が終わっても外が明るい季節になっていた。

梅雨の季節がやってきて、なんだかとにかく暑い。

湿気が嫌いなものだからこの時期はあまり好きではないけれど、この季節に好きなものが一つだけある。

「紫陽花」だ。

私は趣味でカメラをやっているので季節の花はそれなりに楽しんでいる。

でも私は悲しいことに青色が好きだ。自然界にいちばん存在しない色。

青の次に好きな色を聞かれたら、「水色」「青紫」「青緑」と答えていく。そう、私が好きな色の花を撮影できる期間はそう長くない。

そこで登場するのが梅雨の季節に咲く「紫陽花」だ。これほどまでに美しい青色や水色の花を私は知らない。

本当は年中咲いていてほしいくらいだけれど、それはさすがに贅沢が過ぎるのも承知している。

紫陽花の美しさはその色だけでなく、色の移り変わりにもあると思う。一朶でも様々な色で構成されていることもある。


ところで、紫陽花の花言葉はご存じだろうか。

花言葉には神話由来のものが多いが、紫陽花の花言葉はその色が変わっていく様から「移り気」。あまりいい意味ではない。

ちなみに長々と語っておいてアレだが、今日のテーマは「紫陽花」ではない。

「移り気」を話題にしたくて書き始めたのに、いつの間にか「紫陽花」について語っていた。私は紫陽花に一途な人間だから、それは仕方ない。


紫陽花のことは一旦横に置いておいて。今日は「移り気な人」を表すスペイン語を紹介したい。

その前に英語ではどう言うのか気になって調べてみたら、「移り気な人」を表す言葉に「butterfly」があった。

最初は何故?と思えるかもしれないが、蝶の生態を考えると納得がいく部分も多い。

確かに上下を不安定にふわふわと飛び、次から次へと花の蜜を吸う蝶の姿は「移り気」と言えるかもしれない。蝶にとっては「誰でもよかった」感覚なのだろう。

ちなみに「butterfly」の語源は、「バター色の虫」説など色々ある。

安直すぎ。そんなバカな、と思うが意外とそんなバカな感じの単語の語源があったりするものだから、この説が本当でも驚かない。安直だとは思うけど。


そしてスペイン語では「veleta」を使って、「移り気な人」を表現している。

主に「風見鶏」として使われるこの単語だが、そこから発展して「移り気な人」を表すようにもなった。

これも蝶をイメージするとなんとなく納得がいく。

花から花へと飛び回る蝶と、簡単に風によって自身の向きを変える風見鶏。

確かにそれぞれから優柔不断さを感じることができる。


ちなみにこの「veleta」という単語には、「自分の意見がない人」という意味もある。

これも強いものに巻かれたり、その場の雰囲気で決めたりするところがうまく表現されている。

言語というのは不思議なもので、納得いかないときもあれば、妙に納得がいくときもある。

文化圏で捉え方が違うものには、体の部位や色が多い気がする。

そういった地域によってイメージが異なるものは、何故そうなるのかと首を傾げてしまうことが多々ある。

でも「風見鶏」は理解ができる範疇に収まっている。

日本の文化において風見鶏が大きな存在でないだけで、あれば同じようなニュアンスが単語に含まれていた可能性もある。

先人たちがなんとなくで持ち込んだ植物や思いつきが言語に反映されているとしたら、本当に言語は偶然で生み出された要素も大きい。

だからこそ比べて楽しむ私のような人間がいるんだけども。


何を熱く語ってんだ、という感じだが仕方ない。

人間気温が30度近いときに考え事なんてすると、うわ言ばっかり言ってしまう。

熱が出たときと同じ。とにかく暑い。はやく夏終わってくれ。というのが今の感想だ。




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